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翻訳者が語る、翻訳のツボ

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翻訳とは

翻訳者の中には翻訳という作業について様々な観点が存在します。
文学作品を翻訳する者は読者に作品の本質を伝えるよう努力しますが、良い訳に原文への忠実性が必ずあるというわけではなく、原著者の意と異なることがあります。

これはイタリア語の諺で“Traduttore, traditore”「翻訳者は裏切り者」という風に表現されています。私が携わっている技術翻訳では前述した概念とは異なり、正確に意味を伝えることが一番大切です。研究や調査論文等の第一目的は著者の心を伝えることではなく、単に事実やそれに基づく所見を正確に伝えることにあります。
技術翻訳にも幾つかの技法がありますので、ここでは私自身の経験や苦労から得た技とコツをお伝えしたいと思います。私の専門分野は主に医学・化学・生物学なため、ここではそれらを中心にお話します。

分野の知

技術翻訳、特に医学翻訳の場合、専門知識がまず第一に重要です。
医学関連の翻訳をするためには、化学や生物学は勿論のこと、ある程度物理学の知識も必要です。

専門用語や表現の理解

翻訳作業の際にも、翻訳者は専門用語や表現を正しく認識し理解しなければなりません。例えば、anesthesiaとanestheticは同義語ではなく、前者は麻酔という過程を意味し、後者は麻酔剤や麻酔薬を意味します。当たり前のようですが、英語も日本語と同じように言葉はひとつひとつ区別されています。

そこで、用語集や対訳集等も大変役立ちますが、同時に注意も必要です。例えば、ある画像診断会ではゾンデをそのまま「sonde」と記載していました。しかし英訳の際にはフランス語のままではなくprobeと訳さなければなりません。残念ながら、時に“専門家”の訳も誤っていることもあります。

翻訳者の仕事は翻訳物自体の質を左右する大切な作業です。私の場合、できる限り一人の著者が出した用語集や対訳集を使用するのを避けて、様々な専門家が編集したものを使用します。

誤りは学ぶ機会

最後に、私は、信頼性がある参考物や参考用データベースが備えて、完璧な翻訳作業を目指しておりますが、時には誤りをしてしまうこともあります。しかし、誤ちをただ失敗として考えるだけではなく学ぶ機会であるとも考えます。二度と同じ過ちを繰り返すことのないよう真摯に受け止め、そこからさらに学ぶよう努力しています。

私は翻訳のプロとして自分の仕事にプライドを持ち、「If a job is worth doing, it’s worth doing right.」(やる価値のある仕事は立派にやり遂げる価値もある)と信じています。

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